作り方に時間を使わず、「選ばれる理由」に時間を使う —— AI検索時代の中小企業WEB戦略

BiNDupやstudio、Wixのようなノーコードツールは、“誰でもサイトを作れる”を約束します。
でも現実には——やり方を調べる時間が増え、構造が崩れ、仕上がりは“素人レベル”。さらに今はAI検索の台頭
ポータル主導の集客が進み、ただ“作っただけ”の公式サイトは、見つけてもらうことすら難しくなってきました。

私はBiNDup専門で14年、そしてブロックを選んで組むだけで設計の整ったサイトを作れるBlockDesignを運営しています。その現場感を踏まえ、中小・個人事業が勝つための現実的な戦略をまとめます。結論はシンプルです。

作り方に時間を使わない。
「選ばれる理由」と「顧客体験」を設計することに時間を使う。

いま起きていること

  • AI検索の前提:キーワード列挙ではなく、文脈と信頼性を根拠に“代表回答”が提示される。
  • ポータル・大手の寡占:求人やクリニック等はポータル優位。独自サイト単独の集客は難度が高い。
  • DIYの落とし穴:構造(情報設計・ディレクトリ・内部リンク)が崩れると、AI/検索の土俵にすら上がれない。

公式サイトの役割を“現実的に”再定義する

“すべての新規を公式サイトで取る”発想は手放します。公式サイトの役割は次の3つに集中します。

  1. 信頼の母艦(E-E-A-Tの器)
    実績、資格、専門領域、方針、価格基準、症例・事例、レビュー、FAQ。
    「選ばれる根拠」を一次情報で積み上げる。
  2. 指名・比較時の勝ち筋
    SNS/ポータル/紹介から“名前検索”された時、迷いなく選ばれる内容と導線を用意する。
    例)TOP→強み→証拠→料金/流れ→CTA → LINE/予約
  3. 一次接点の回収(ファーストパーティーデータ)
    相談・見学・体験・資料・LINE登録。軽いCTAを複数用意し、見込み客を逃がさない。

何をやめ、何に集中するか

  • やめること
    • “ツールの使い方”に長時間を投じること
    • 無方針なブログ量産(長文=評価 ではない)
    • 流入見込みの薄いキーワードの追走
  • やること
    • 情報設計を先に決める(サイトマップ/ディレクトリ/見出し階層)
    • 「選ばれる根拠」を収集・言語化(数字・事実・比較・体験談)
    • 軽いCTA問い合わせ前体験(LINEで質問、最短相談、料金の目安、内覧予約)

“AIにも伝わる”公式サイトの最低ライン

構造が9割です。BiNDupでもstudioでも、ここができていれば戦えます。

1) ディレクトリとナビ

/(TOP)
/about/(理念・代表・資格・沿革)
/services/(サービス一覧 → 下層に各詳細) 
/cases/(事例・症例・お客様の声)
/price/(料金・保険/自費の目安・支払い方法)
/faq/(よくある質問)
/blog/(お知らせ・ナレッジ)
/access/(地図・駐車・対応エリア)
/contact/(フォーム・LINE・予約)

2) ページ内の共通必須

  • H1は1つ、見出しはH2→H3の階層を守る
  • 主要ページは1000〜1500字の一次情報+関連内部リンク
  • **FAQ形式(Q→A)**を要所に配置(AIに要点が伝わりやすい)
  • 構造化データ(Organization/LocalBusiness、FAQ、Service、JobPosting等)
  • Googleビジネスプロフィール(GBP)の強化とNAP整合(名称・住所・電話)

3) 速度・可読性・モバイル

  • 画像最適化、フォント数の抑制、1画面1メッセージ
  • CTAは各スクロール区間に1回(押しやすいボタン)
  • レビューや実績は“差し込み”で繰り返し露出

BlockDesignを使えば、上記の“構造と可読性”を満たしたブロックを「選んで並べる」だけで組めます。装飾よりも意味のある配置を早く・確実に。

ポータルと公式サイトの役割分担

  • ポータル/比較サイト:露出と指名の“きっかけ”を作る場所。
  • 公式サイト:最終判断の“根拠”を提示する場所。
  • SNS/口コミ/LINE:関係を温め、再来を促す場所。

つまり、“最初の接触”はポータルでOK。勝負は自分の土俵(公式サイトとLINE)に引き込んだ後にする。

業界別ミニ戦略

士業

  • 強みの限定(相続×不動産、交通事故×主婦層 など)で勝てる土俵を作る
  • 相談の初期不安をFAQ化(費用・期間・準備書類)
  • 事例テンプレで継続追加(背景→課題→対応→結果→学び)

クリニック

  • 診療の方針と限界を明記(信頼に直結)
  • 初診の流れ費用感混雑傾向当日可否
  • 医師・スタッフの顔出し設備の写真で安心を可視化

整体・サロン

  • ビフォーアフターよりも施術方針と検査プロセス
  • 通院計画の目安(回数・頻度・卒業基準)
  • 予約前体験CTA(LINEで姿勢チェック、初回カウンセリング)

求人(採用)

  • 露出はポータル前提、公式は**“働くイメージの母艦”**
  • 1日の流れ、キャリア事例、報酬の現実、福利厚生を可視化
  • 応募ハードルを下げる導線(LINE相談・見学予約・匿名質問)

コンテンツは“ブログ”ではなく“ナレッジ”

長文ブログを毎回書くのではなく、質問単位で積むのが効率的。

  • FAQ:実際に聞かれたことを1Q1Aで積む
  • 用語集:専門用語を自社の言葉で説明
  • 事例カード:テンプレで短く継続(※士業・クリニック・整体向け)

BlockDesignのFAQ系/Features系/Flow系ブロックを使えば、“積むだけ”で情報が整列します。

よくある誤解

  • 誤)長文ブログを量産=評価正)一次情報+構造+内部リンク
  • 誤)ポータルは敵正)露出装置。母艦へ誘導して勝つ
  • 誤)デザインで差がつく正)“選ばれる根拠”で差がつく

BlockDesignを使う理由(最小コストで最大設計)

  • 情報設計済みのブロックを選んで並べるだけ
  • 見出し階層・余白・可読性が崩れにくい
  • FAQ/Flow/Features/Voiceなど、**“根拠を積む型”**が揃う
  • BiNDupと相性が良く、修正が速い=学習コストが低い

つまり、「作り方」に時間を使わず、**“何を書くか・どう選ばせるか”**に集中できる。

まとめ

AI検索とポータル主導の時代、“作っただけのサイト”は勝ち目がありません。
勝てるのは、情報設計が整った公式サイトに、選ばれる根拠(一次情報)を淡々と積み上げ、軽いCTAで関係を回収できる事業者です。

  • 作り方に時間を使わない(BlockDesignで最短構築)
  • 選ばれる理由を言語化し、証拠で示す
  • 公式=母艦、ポータル=露出、SNS/LINE=関係の役割分担で回す

この3点を淡々と続ければ、規模や広告費に劣っても**“選ばれる”**は作れます。
まずは、サイトマップとCTAマップを1枚に描き、コア7ページを先に公開しましょう。
迷ったら、「根拠はあるか?導線はあるか?」だけを確認。それで十分、勝てます。